ネットビジネスが多様化している現在。
セキュリティーのレベルや技術上がってはいますが、ハッキングによる被害が後を絶たないのも現実です。
2018年9月20日に警視庁は、仮想通貨による盗難事件の件数を発表しました。
被害件数はなんと上半期だけで158件、2017年度と比較して3倍にも上昇しました。
被害総額は約605億円です。
確認できていない事案も含めるともっと被害額は大きいことでしょう。
IDやパスワードの使いまわしなど、
セキュリティ対策がされていない個人のアカウントが狙われています。
通貨別の被害は
ビットコイン94件
リップル42件
イーサリアム14件
NEMやその他の通貨が36件
となっています。
警視庁では対策としてユーザーに
①IDやメールアドレスを定期的に更新すること
②情報を盗みとるフィッシングメールへの注意
上記2点を呼び掛けています。
仮想通貨業界の盛り上がりと共に仮想通貨のユーザーは増えていくと予想されています。
それに伴い、今後仮想通貨を狙った盗難事件は今後も増え続けていくと警視庁では厳戒な注意喚起が呼びかけられています。
<主な仮想通貨流出事件>
仮想通貨は様々な期待を胸に始める人が多いと思います。
新しい未来を開ける夢の通貨ですが、取り扱いが難しく
ネットでの管理がほとんどで目に見えない不透明性の高い危険な通貨でもあります。
さまざまな仮想通貨取引所で、仮想通貨が流出した事件もあります。
ここで、過去に起きた有名な事件を振り返り紹介します。
記載されている盗難事件の被害総額に関しては、事件当時のレートを表示しています。
〇Zaif事件(被害総額:約70億円)
2018年9月20日に、仮想通貨交換所Zaifで仮想通貨が不正流出したと報告されました。
被害金額は約70億円。
流出した通貨は、ビットコイン・モナコイン・ビットコインの3つの仮想通貨です。
Zaifも事業継続をしています。
〇コインチェック事件(被害金額:約580億円)
2018年1月26日に、仮想通貨取引所コインチェックが不正アクセスを受けました。
利用者から預かっていた約5億2000万NEMが流出したと報告がされました。
その後の調査によると、コインチェックのセキュリティ対策が不十分であったことが判明しました。
コインチェックで被害にあった利用者数は約26万人にもなりました。
コインチェックは、被害総額を返金することを約束して、事業継続することを発表しています。
〇ナイスハッシュ事件(約76億円)
スロベニアに拠点がある仮想通貨のサイト「ナイスハッシュ」が2017年12月に不正アクセスがあったと業務停止を発表しました。
その後に調査により、約76億円相当のビットコインが盗まれたことが明らかになりました。
ナイスハッシュでは盗難被害が運営上で大きな影響を与えることはないものとされ、営業は再開されています。
〇ビットフィネックス事件(被害総額:約66億円)
2016年8月に、香港に拠点を持つ仮想通貨取引所「ビットフィネックス」がハッキングを受け、管理していた約66億円分相当のビットコインが盗まれました。
ビットフィネックスは2015年5月にもハッキング被害を受けています。盗難により被害を受けたユーザーに対して、被害総額の返金が行われています。
〇マウント・ゴックス事件(被害金額:約480億円)
2014年2月に起きた「マウント・ゴックス事件」は、被害総額が480億円にもなった有名な事件です。
仮想通貨取引所マウント・ゴックスが不正アクセスを受けて、管理していた85万ビットコインが盗まれたと報告。
盗まれたビットコインを取り戻すことはできず、マウント・ゴックスは経営破綻しました。
その後の調査によると、マウント・ゴックスの元CEOのマルク・カプレスがシステムを操作していたことが判明し、逮捕、起訴されました。
「仮想通貨」と聞くとこのようなニュースを思い出し、
マイナスなイメージになってしまっていると思います。
実際にハッキングの被害に遭い、仮想通貨資産が盗まれてしまった経験や
自分が利用している仮想通貨取引所がハッキング被害に遭ってしまったという人もいるでしょう。
ハッキングに遭ってしまい、仮想通貨資産が盗まれてしまうと自分の資産がなくなってしまい、その資産が手元に戻ってくることも可能性としては低いです。
ロイター通信の特集記事によると、ハッキングによって盗難された仮想通貨が手元に戻ってくる確率は20%となっていることが明らかになりました。
仮想通貨はブロックチェーン技術を活用しているため、
ブロックチェーンに取引記録を残しておくことで犯人の追跡を可能としていますが、
この役割を担うことはまだできていないケースが多いという結果になっています。
悲しいことに全てのハッキングに対して調査を行うことは事実上不可能とされています。
仮想通貨を盗難された際には、何か対策を起こしたいところではありますが、
ブロックチェーンの技術が利用できない以上、犯人を追うことも難しいため、
諦める投資家も多くなっており、約85%の犯罪が報告されていないという結果も出ています。
また、アメリカのサイバーセキュリティ企業サイファートレースのCEOであるデービッド・ジーヴァンス氏は
「仮に仮想通貨取引所に対するハッキングが大規模な事件だとしても盗まれた仮想通貨が返ってくるのが20%だという理由に対して、調査を開始するためには十分な証拠を集めなければいけない」と述べています。
複数の国がまたがっている大規模な捜査を正当化するためには、数百万ドルほどが盗難被害に遭わないと調査に動き出すことも難しいようです。
もちろん日本国内でも仮想通貨資産が盗まれてしまうというケースも多いため、仮想通貨に関する犯罪を注視する人も多いです。
しかし、最近では仮想通貨取引所だけではなく、偽装ウェブサイトやフィッシングの機能を搭載したEメールを利用した詐欺行為も増えてきています。
こういった新しい手法の詐欺行為には更に注意が必要です。
時代の進化と共にハッキングの手法も巧妙になってきているのです。
自分資産を自分自身で守っていくことをまず最優先し、仮想通貨を行っていく必要があります。
儲け、利益、利便性・・・
重視する部分はたくさんありますが、
取引所のセキュリティや自分でどれだけ気を付けているかで防げることなのです。
<2017年はイーサリアムも狙われた>
2017年はご存知のとおり仮想通貨が最も飛躍した年でした。
そのため投資活動を始めた人も多い年となりました。
そこに目を付け、詐欺行為を企てる人も増加。
イーサリアムは2017年だけで2万1000イーサリアム以上が盗難被害に遭っており、
その手口がソーシャルエンジニアリングによって盗まれていることが明らかになっています。
※ソーシャルエンジニアリングとは
詐欺メールなどで窃盗する手法のことです。個人を狙って行われる詐欺行為が多い。
いかがでしたか?
過去の事件、仮想通貨の過熱と共にハッキング被害が増える事。
一度盗まれたものは戻ってこない可能性が高いことを今回はご理解いただけたと思います。
今までの資金、労力、なにより仮想通貨に込めた希望を全て壊されてしまいます。
盗まれてからでは遅いのです。
そうなる前に、未然に防ぐ方法を考え、対策をするのが最も有効です。
現在はウォレットなどセキュリティ面が強化されている取引所もあるため、
取引所をしっかり見極め、仮想通貨を行うにあたりリスクをしっかり理解すること。
大事な仮想通貨資産の保管方法も改めて見直し、投資活動を行うことをお勧めします。
「自分は大丈夫」本当ですか?
見えないところであなたの資産が狙われているかもしれません。
ハッキング被害から守るために今一度確認をしましょう。